以下は、「点字毎日」から原稿依頼を頂き、2007年6月17日号(活字版6月20日号)に掲載されたものです。問い合わせ先については「点字毎日」には電話番号を記載しましたが、ここではアクセスの便宜を図るため、リンクを張りました。

また、この記事は、紙面の制限もあり、視覚障害者が点字ピンディスプレーを使って読書をしたり、校正をしたりする機能を中心に解説しています。晴眼者が点訳をするとき便利な機能については充分な説明をしていません。また、自動点訳ソフトについても触れていません。

詳しくは、それぞれのホームページや点字お役立ちリンク集をご覧下さい。


点字エディタとは

点字エディタは、パソコン上で点字データの読み書きや編集を行うソフト。ボランティアの貴重な労力を費した点訳をより多くの視覚障害者に届けられるようにという目的で開発されたが、音声合成装置や点字ディスプレーの普及により、視覚障害者自身が校正作業に参加できるようになったり、点字文書作成や読書にも使用できるような便利な機能が搭載されるようになった。

点字エディタの特徴

つつじフレンド「点訳コータクン」は、6点入力のみのシンプル操作。一枚の点字用紙をイメージし、ページを越える行末処理をしない一画面制御モードは、手書きからパソコン点訳に移行するボランティアや、音声やピンディスプレーで校正作業をする視覚障害者には安心して作業できるという利点もある。

フリーウエアのウインビーT・エディタは、MS−DOS上で動作するBASEの操作性をウインドーズ上で実現したもの。点字ディスプレー出力できないのが残念である。

ニュー・ブレイル・システムブレイルスターは、AOK点字ワープロの操作性を点字エディタ上で実現しているため、視覚障害者には最も使いやすい点字エディタである。管理者モードで実行すれば、ビスタ上でも動作する。

横浜漢点字羽化の会のEibrkwは、漢字かな交じりのテキスト文書を漢点字データに変換するソフト。点字パターンは16進数で入力しなければならないという不便はあるものの、ネット上の新聞記事なども読みやすい漢点字に変換してくれる。音声ガイドはクリップボードを介して行うこともできるので、汎用性が高い。

村尾電子のOP-Xは、漢点字を用いた点訳作業を支援することを主な目的としているが、かな点字の編集・印刷にも優れたソフトである。シェープアップ機能を使うと、レイアウトを崩さずに行桁数を変更できるので、同じデータを点字プリンターに合わせて活用できる。

テクノツール点字編集システムは、IBMのWin−BES99をウインドウズXPやビスタ上でも使用できるようにしたもの。晴眼者は別ソフトを用意しなくても点図作成・プリントができる。

最後に

点字エディタには、独自に音声を出力しているものと、画面読み上げソフトを介して出力しているものがある。クリップボードを介して音声出力するEIBRKW、画面読み上げソフトを介して音声ガイドする点訳コータクン、ブレイルスター、OP-Xは、点字エディタが出す音声ガイドと画面読み上げソフトが出すウインドウズの画面情報が重複することがなく快適に操作できる。

Windows7/8/10対応の画面読み上げソフトで、ウインドウズXPまでと同じ開発キットを使えるのはPC-Talkerシリーズのみなので、他の画面読み上げソフトへの対応にも期待したい。

なお、関連情報については、「点字お役立ちリンク集」を参考にしてほしい。


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