ふみふみ ただいま奮闘中



  私は生まれたときから弱視です。
 「弱視?」って何ってまずよく聞かれます。
 「弱視」、それは全然見えないわけではないけど、個人個人によって見え方が違う ものと私はよく説明します。
 でも人に自分の見え方を説明するのはとても難しいものです。私の場合は、手元のものはだいたい見えます。
 ただ、視野が狭いため、大きいものは近くにあってもなかなか分からないこともあります。
 また遠くは見えません。

 大きいものであればなにかがあるということは分かりますが
 どんな形をしてるかとかいうことはなかなか判断することが出来ないです。
 そういうとき、いつも「単眼鏡」という片目だけの望遠鏡を使って見ます。
 でも単眼鏡をつかっても限界があります。
 私の場合眼球振とう (目が揺れてしまう)があるからかも知れませんが、
 なかなか使うのにも大変だったりします。目が疲れてしまうのです。
 晴眼の方が一つのものを長い時間見続けていると疲れてしまうような状態にすぐになってしまうのです。
 私の場合はそんな感じですが、それは人によって違うと思います。

  私は1年3ヶ月前に結婚して、今は主人の両親と同居して生活しています。
 私たちは二階で生活していますが、お風呂と食事は共用での生活です。
 食事は両親と一緒なので当然、義理の母と台所に立つことになります。
 母は晴眼ですから、見える人のやりかたですが、私は手の感覚、匂いなどでの判断です。
 どうしても時間がかかってしまう部分があります。
 生活しはじめた頃は、自分が置いていたところから何もいわずに置き場所を変えられたりすることがあったり、
 手を出されてしまったりして困ることもありましたが、
 今は私も母に何でも言えるようになりましたし、理解していただけるようになりました。

  全盲の方も私たちのような弱視でも置き場所を変えられたり、何も言わないで何かをやっていたりしても
 分からないですし、本当に困ってしまいます。
 主人の母は部屋の模様替えも大好きなので困りますね。
 はじめの頃はそれが理解できず、腹が立ちましたが、今は「置き場所を変えたら必ず教えてください。
 出来れば触らせてください。」と言っています。
 模様替えが母の趣味の一つみたいなので、私も我慢しています。

  また「弱視」の見え方については私の兄弟でもなかなか理解してもらえないでいます。
 私は4人兄弟の末っ子で、姉二人と、兄がいます。
 兄は私の目のことは理解しています。でも姉は多分私の見え方を理解していないかも知れません。
 一人の姉は私が小さい時から遊びに行ったりしてばかりで、家に帰ってこなかったりしていたからです。
 ここ数年前からその姉とよく言葉のぶつかりあいが続いています。

  約2年前、私を厳しく育ててくれた母が突然亡くなりました。
 それからは父が淋しがらないようにと、姉夫婦、兄夫婦がよく実家に来て、
 みんなでご飯を食べたりすることが多くなりました。
 私も結婚してからよく呼ばれるので実家に行くのですが、そこでよく兄弟げんかをしてしまうのです。
 どういうことかというと、台所でのやりとり。
 台所には私と姉二人、また義理の姉がいます。
 狭い台所で4人もいると誰かしらが邪魔になってしまったりします。
 私はいつも台所でお茶を入れたりしようとするのですが、その時、
 そりの会わない姉がいつもケチをつけたりします。
 おまけに「私がやるからいいよ。あんたは運びなさい。」と言うのです。

  「運び仕事、出来ない訳じゃないけど、姪っ子、
 甥っ子が走り回っているしいつぶつかってくるか分かんないよ。」
 というと姉は「あんたはそういう口答えばかりしてなんにもやらないんだ。」って言ってきます。
 私だってちゃんと見えれば何も言わずにやるよ。
 姉はいつも何を言うときにも攻撃的に言うのであまり抵抗できません。

  もう一人の姉は私をなだめてくれることもなく、むしろその姉の見方につきます。
 まぁ、義理の姉や兄がいつもなだめてくれるので救われますけど本当耐えきれなくなります。
 結局いつも準備は私はみんなに任せてしまいますが後かたづけはやろうとします。
 そうするとまた姉が、「あんたはなんにも出来ないんじゃないの?」 って言います。
 「私だって家に帰ればちゃんと主婦業やってるんだよ。」私はいつも悔し涙を出してしまいます。
 義理の姉が席を外しているときは、姉は強気になって
 「あんたはなんにもしなくていいから座ってなさい。」って言います。
 義理の姉がいるときは、姉が「ふみふみちゃんだって、手伝いたいんだから、
 お姉ちゃんもふみふみちゃんの気持ちを受けとめたら。」
 と、言ってくれていつも洗い物などをやってきます。

 姉たちにいろいろやってもらってる感謝の気持ちも兼ねて私は後かたづけはやっているんですけど、
 姉にはそういうふうに受け止めてもらえないのかも知れません。

 こんなやりとりが多く、私はいつも悩んでます。姉がいるときは遊びに行きたくないと思うこともあります。
 でも兄弟ですからそんなことを言ってはいけませんし、
 出来れば私だって誤解を解いて仲良くやっていきたいです。
 主人や実家の父は、
 「ふみふみは出来ることをやればいいんだ。人が沢山いるときはあんまりやらない方がいい、
 ぶつかったりしたら子供たちもふみふみも危険な思いをするんだから。」と、言います。

 でも私は悩みます。
 姉たちには攻撃的に言われるし、主人や父は 「やらないほうが安全だ。」と言いますし・・・。
 どうしたらいいか本当に分かりません。
 この文章を読んでいる、主婦の方の意見を聞かせていただけたら嬉しいです。


 また普段の生活の中でやっていることを少し紹介します。

 
*** 私が家の中でやっていること ***

  • 料理
    料理は普通にやっています。
    私の場合少し見えるということもあり、焦げ目がついたかとかいうことはだいたい分かります。
    でも出来るだけ目を使わないで匂いで判断するようにしています。
    魚を焼いたり肉を焼いたりしたときに火が通っているかどうかは、竹串で確認してやっています。
    煮物の味付けは手分量です。
    鍋に油をしく時は、容器を押すと油が少し出てくる容器を使っています。

    ただ、揚げ物は私は怖くて出来ません。
    よく全盲の方が、天ぷらを作ったりしているという話を聞きますが、
    私には出来ません。頭がさがる思いです。
  • お掃除
    お掃除は基本的に皆さんがやっているやりかたです。
    ただ、掃除機をかけたりするときには、吸い口の前に手を置き、吸ってはいけないものが
    ないかどうかを確認しながら掃除機をかけます。
    それは視覚障害の人にとっては常識かも知れませんけどね。
  • お洗濯
    また洗濯に関しては特に工夫していることはないです。
    汚れ物はあらかじめ手洗いして洗濯機に入れますし、工夫していることというのは特にありません。
    全盲の人の方がかえっていろいろ工夫されているかも知れませんね。
  • お裁縫、編み物、アイロンがけ

    お裁縫はあまり得意じゃないですけど、ボタン付けや、解れた裾などを直すのは手探りでこなしてます。
     よく晴眼の方に
    「針に糸を通すのってちゃんと出来るの?」
    と聞かれます。
     「はい、ちゃんとやってますよ。」
    と言って、実際にお見せすることがあります。
    私は針金の糸通しきで糸を通しています。
    最近はボタン付けくらいしかやってないですけど。

    また編み物は私の場合編み棒を使ってやってます。
    最近はやらなくなりましたが、時間があるときは、マフラーや、たわしを作ります。

    アイロンがけは手探りでこなします。
    布に霧吹きで水をかけながら手探りでこなします。
    実際に母に教わったことがないので、自分独自のやり方ですが、やりこなしています

     よく視覚障害者の人って目が見えないのだから何も出来ないのではないかと
    いうふうに思われたり実際に言われてしまったりしますが、そういう人ばかりではありません。
    ちょっと見てもらったりすることはあったとしても自分でちゃんと出来ます。

    「見えないのになんでもやるんだ。偉いよね。」
    とか言われますが、自分では当たり前のことをやっているだけなので返事に困ります。
    私は生まれた時から弱視。恥ずかしい話ですが、高校を出るまで自分が弱視だということが
    イヤでした。それは理解してもらえないから。

    でも今は違います。
    わずかな視力でも大切にしていこうと思っているのです。
    いろいろ苦難はありますが、今は障害を持っていることで体験できること、出会いがあってとても幸せです。




私のプロフィール


名前  ふみふみ
昭和53年 7月8日生まれの蟹座。
血液型はA型。
性格は気が強そうで泣き虫です。
趣味は(相撲観戦)
東京場所はじっさいに観戦にいってるから、今度は地方場所も見に行きたい)
お酒を飲みに行くこと、人と話すこと、
最近アマチュア無線の免許を取りました。

 こんな私です。
 それからこんなところで宣伝してすみませんが、ホームページもあります。 是非是非見に来てください。

http://isweb41.infoseek.co.jp/diary/fumippi/
 リンクフリーですからどんどんリンクしてください。

ふみふみでした。

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